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「森林を回復させる自伐型分散式林業」 月尾嘉男著『転換日本 地域創成の展望』で紹介されました。

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自伐型林業の推進にエールを送り続けてくれている月尾嘉男(つきお・よしお)東大名誉教授が新刊で自伐型林業を取り上げてくれました。

タイトルは『転換日本 地域創成の展望』。

本書の目次を広げると、並んでいるのは全国の事例で、貫かれている共通点は「転換」です。「集落転換」「空き家転換」「商業転換」……と、現在の日本が抱える社会問題を「地域を元気にしてきた事例」へと「転換」させている16の活動が紹介されています。そして、自伐型林業は「林業転換─森林を回復させる自伐型分散式林業」として取り上げられています。

「自伐型林業」になぜ「分散式」と入れるのか。月尾さんに直接聞いてみると、「中央集中・集権に対しての分散ですよ」と話してくれました。そして月尾さんは本を執筆する150年前の明治維新に時計の針を戻してこう言います。

「明治政府の政策に共通していたのは、江戸時代に地域ごとに多様だった行政、教育、言語、産業、文化などを画一化させることでした。全国が一律の制度で統治され、そこに生活する国民が一様な様式で生活するという状況は、大量生産された製品が大量に消費させる工業にとって格好の条件を備えていました」。

月尾さんは高度成長期が終わり、明治政府が目指してきた産業革命以降の姿を思い描いてきたようです。その証拠に、中央集権から地域の時代へ「転換」をすべきという提案を数多くのメディアで投げかけてきていました。今回はそれを中央からの目線でなく、全国の自治体や地域グループ、集落の活動に主眼を置いた作品と言えます。

「今は地域が独自の発想を持って、独自の行政、産業、教育を推進する取り組みが必要です」という月尾さん。現在の「地方創生」の潮流について聞いてみました。すると、「中央政府が予算の枠組みを設定し、そこに全国の地方政府が事業を計画して応募する流れです。さらに中央政府が選定した事業のみが実施されるというのは、明治時代以来変化していない仕組み」と首を傾げます。その上で月尾さんはこう話します。

「そもそも地方という言葉自体が中央と地方を対比させた中央集権の色彩を色濃く反映しています。それよりも既存の制度に拘束されることなく、地域の人々が成功させてきた地域創生活動が次々と生まれてきているわけです。それを取り上げたのがこの本ですよ。環境破壊の上に成り立ってきた発展ではない、新たな活動に期待したいです」。

月尾さんは今年度のイベント(6月に東京、8月に高知で企画中)にも登壇してくれる予定です。ぜひ本書を手に取り、「転換」「分散」「地域」をキーワードに自伐型林業やみなさんの暮らしを考えてみてはいかがでしょうか。

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■月尾嘉男氏 自伐の動きは「一種の革命」
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■ただいま放送中!3月22日開催のシンポジウム「自伐がつなぐ林業新時代」
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