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『林業新時代─「自伐」がひらく農林家の未来』(農文協)

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 「自伐型林業」について書かれた書籍が出版されました。

 林業政策・林業経済学を専門とされている佐藤宣子さん(九州大学)、興梠克久さん(筑波大学)、そして当会副代表理事の家中茂(鳥取大学)の共編著です。三人三様の視点、調査研究手法によって、自伐型林業の可能性について浮き彫りにされています。

 本の編集を担当したのは、当会理事の甲斐良治(農文協)で、『林業新時代─「自伐」がひらく農林家の未来』というタイトルをつけました。

 家中は、これまで、沖縄のサンゴ礁や離島をフィールドに、海と人とのかかわり、そして、「コモンズ」の生成について考察してきましたが、「NPO法人 土佐の森・救援隊」に出会ってから、急速に、森林・林業のあり方、それも、具体的な林業経営や林業施業技術に関心をもつようになったといいます。

  そのなかで、自伐林業の担い手に注目しながら、大槌町吉里吉里(岩手県)、気仙沼(宮城県)、遠野(岩手県)など、東日本大震災被災地での生業創出、ある いは、高知の仁淀川流域、四万十川流域での自伐林業へのUターン・Iターンの新規参入のようす、そして、高知県佐川町、島根県益田市の自治体政策としての 推進や広島県北広島町の生物多様性戦略における位置づけについて紹介しています。

 また、土佐の森・救援隊がNPO法人設立当初から自伐林業を目指した経緯や、徳島県那賀町の自伐林家で当会理事の橋本光治の永続的な林業経営や林業施業(山づくり、道づくり)について学んだことを記されています。

 ぜひ購読ください。
http://amzn.to/24B21E8

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林業新時代─「自伐」がひらく農林家の未来」(シリーズ地域の再生/第18巻)

 大規模・高投資・高性能機械で材価も環境も破壊する集約化政策を超え、小規模・低投資・小型機械で仕事をおこす。

 本体価格:2600円+税 判型:四六
 著者:佐藤宣子・興梠克久・家中茂著
 出版:農山漁村文化協会(農文協)

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[解説]

1 章では佐藤が林業経済学の立場から農林業センサスで「自伐林業」の抽出を試み、「自伐林家」の政策的な位置づけを考察。また、専業的な農林家の活動を多角 的に紹介することで、「自伐林家」が果たしている山村社会での役割の大きさを指摘。2、3章では同じく林業経済学の立場で興梠が「自伐林業」を林業展開の 2つの道の一つとして捉えるとともに、林家グループの新たな組織化の動きに社会性の観点から注目。4章では環境社会学者の家中が、「土佐の森・救援隊」は じめ多くの「自伐林業」運動の現場に参加、うねりの動的把握に努めた。

[著者]
佐藤宣子(さとう・のりこ)
 九州大学大学院農学研究院森林政策学研究室 教授
興梠克久(こうろき・かつひさ)
 筑波大学生命環境系森林社会学研究室 准教授
家中 茂(やなか・しげる)
 鳥取大学地域学部地域政策学科 准教授

[目次]
第1章 地域再生のための「自伐林業」論
1 「自伐林業」論の背景  
2 再生プランの論争点――山村振興と「自伐林家」の位置づけ
3 農林業センサスからみる「自伐林家」の素材生産と農業生産との関連
4 専業的な「自伐林家」が輝く山村
5 補論 林業分野での女性活動の実態と可能性――自伐林業を地域再生に繋げるために
6 まとめにかえて――「自伐林業」の可能性

第2章 再々燃する自伐林家論――自伐林家の歴史的性格と担い手としての評価
1 本章のねらい 
2 農林複合経営の特徴――持続性視点
3 低コスト林業への「二つの道」――生産性視点
4 林家経済論の展開と第3の研究視点――社会性視点
5 自伐林家は日本林業の担い手か?――静岡県における実証的研究
6 森林所有者の「責務」と「楽しみ」――高千穂森の会

第3章 自伐林家による林地残材の資源化――「土佐の森」方式・「木の駅プロジェクト」を事例に
1 研究の目的と方法
2 「土佐の森」方式・「木の駅プロジェクト」の仕組み
3 「土佐の森」方式・「木の駅プロジェクト」の類型区分と活動実態
4 「土佐の森」方式・「木の駅プロジェクト」の課題と展望

第4章 運動としての自伐林業――地域社会・森林生態系・過去と未来に対する「責任ある林業」へ
1 土佐の山間から――始まりへの予感
2 日本の森林の現実と研究及び政策との乖離
3 NPO法人「土佐の森・救援隊」を淵源とする「自伐林業」運動の全国への波及
4 自伐林業運動の展開
5 未来につなげる「責任ある林業」

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[参考]
シリーズ地域の再生(全21巻)発刊にあたって(農文協)

 基本理念―地域に生き、地域を担い、地域をつくる人びとのための実践の書
 今、私たちの行く手には暗雲が立ち込めているように見えます。
 私たちは、「近代」の行き詰まりともいえるこの危機を、根本的に解決する主体は国家や国際機関ではなく“地域”だと考えています。

  都市に先んじてグローバリズムと新自由主義に翻弄された農山漁村は、すでに元気と自信を取り戻しつつあります。その元気と自身は、近代化=画一化の 方向ではなく、地域ごとに異なる自然と人間の共同性、持続的な生き方、自然と結んだ生活感覚、生活文化、生産技術、知恵や伝承などを見直すことによっても たらされたものです。

 また、近代的“所有”や“業種”の壁を乗り越えた、流域連携や農商工連携による新しい仕事おこしも始まり、それ を支援する官民の動きも活発になって きました。農山漁村における地域再生の芽が意味するものを学ぶことで、都市における地域も再生への手がかりをつかむことができるのではないでしょうか。

 人びとがそれぞれの場所で、それぞれの共同的な世界としての“地域”をつくる――私たちは、そこに希望を見出しています。

 危機と希望が混在する現在、地域に生き、地域を担い、地域をつくる人びとのための実践の書――地域再生の拠りどころとなるシリーズをめざします。著者: 佐藤宣子(九州大学大学院農学研究院森林政策学研究室 教授)/興梠克久(筑波大学生命環境系森林社会学研究室 准教授)/家中 茂(鳥取大学地域学部地域政策学科 准教授)

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