Q&A

Q,1自伐型林業を始めるのに必要なものは?

自伐型林業の実践には、技術、最低限の機械、山林フィールドが必要です。技術を身につけるための研修を受け、実践し始めて、必要な道具や機械を一つずつ揃えていくことをお勧めします。

Q,2 生計を成り立たせるための山林面積はどれぐらいですか?

一般的には、30〜50ヘクタールが目安です。年間3ヘクタール程度の整備をする場合を想定し、10年に一度の間伐を繰り返すイメージです。ただ、必要な所得(生計)は人によって違うので、一概には言えません。

最初からまとまった面積を集めるのは困難で、多くの場合は少面積から始めてみて、徐々に管理面積を集めていきます。

木の成長量を超えない間伐を繰り返すのが自伐型林業の方法なので、面積が少ないと過剰に伐採する(成長量を超える)ため、経営を続けるためには山林を集める必要があります。

Q,3 山林を持ってない場合、どのように確保すればいいですか?

山林所有者と協定書(契約)を交わし、貸してもらいます。その際、契約期間は10年、20年という長期の契約を結びましょう。

最初に施業した場所で二回目の間伐をするのは、7〜10年後になります。それ以下の契約だと採算は合わず、採算を合わすためにたくさん伐採することにつながるので注意が必要です。

Q,4 木材はどこで販売できますか?

曲がりのないA材(直材)や合板材向けのB材は、原木市場(共販所)か製材所への販売が主になります。C材は発電所やチップ業者へ販売します。

薪や炭に加工して、自主流通させる売上確保の道もあります。

Q,5 「儲かる」と言いますが、実際にいくらぐらいの売り上げがあるのでしょうか?

山林の面積や作業日数、搬出する量によって当然違ってきます。また、山林に道(作業道)が入ってるかかどうかによって回答が変わります。

道が敷設されていれば、余計なコストをかけずに木材を搬出できるため、販売した売上がそのまま収入になり、持続的に収入が得られる道筋が見えてきます。補助金に頼らない経営ができます。

一日の仕事と売上の想定については、映像「2人で林業」(再生時間3分程度)が参考になります。

「動画の作業は、日々繰り返す主の作業で、山へ入った日はこれを1日2回行うのが一般的。2トントラック1車分で約2.5m3の木材を原木市場へ出荷し、撮影時点(2018年11月)で約3.8万円の売上となった。1日にこれを2回行うので1日の売上は約7.6万円となり、市場手数料と燃料代の経費が1万円弱で、夫婦の手取りは7万円弱である。相場が低い時期には、無理には切り出さない。」(「2人で林業」解説参照)

植樹後50年まで未整備だった山林の場合は、およそ樹齢60~70年でこのような状況に持ち込めるような目標設定をします。

基盤整備である作業道の敷設の段階では、持ち出しが多いため補助金に依存せざるをえません。この際の補助金が2千円/m以上確保できれば、支出の補填になります(補助は自治体や都道府県が設定)。

Q,6 自伐型林業のデメリットは?

山林の環境を失わない施業を心がけるため、木を見る目や間伐の方法など、技術を身につけるのに時間がかかります。

山に合っていない(国や県の補助制度に合わせるような)施業をすると後に残った山の持続性がなくなるため、将来の林業経営に難が出ます。特に作業道の敷設の仕方、多間伐施業に必要な適正な間伐の仕方の知識が重要です。

Q,7 自伐型林業者の年間スケジュールは?

伐採・搬出は秋~冬にかけてのシーズンが適しています。作業道敷設は春〜夏に行うパターンが多いです。作業道敷設が終わった山は秋・冬だけ施業する形になるため、春・夏の副業を持つのが無理のないライフスタイルになると思います。

Q,8 植林は行っているのでしょうか?

何も植生の無い山には、最初は植林しなければなりません。

現状で50年生前後の山林を確保できた人は、今後、伐採本数を最小限に抑えた薄い間伐を繰り返していきますので植林(再造林)は当面(今後100年程度)は必要ありません。

ただ、何らかの状況(雷や火事、樹木の病気等)で必要になれば実施する必要があるでしょう。

また、100年以上になった個所で、これ以上本数が少なくなると風のリスクが高まると判断すれば、再造林が必要になります。その際でも、間伐施業を主に置きながら、再造林は小面積(数反単位)で行ってください。

Q,9 山の所有者の了解をとるのが困難な場合、どのように自伐を進めて行けば良いのでしょうか?

山の確保は、工夫と忍耐も必要になると思います。山林所有者も悪い人ばかりではなく、良い人も多いので、組みやすい人と交渉して実施する必要があります。理解の薄い山林所有者が多い時は、あきらめざるを得ない場合もありえます。

地方自治体が仲介してくれると信頼性も高まります。理解してくれる自治体職員を探すのも、山林を所有する道につながります。

Q,10 自伐型林業をするわけではないが、広まってほしい。応援する方法は?

全国の自伐型林業者をサポートするために、当会への寄付によってともに活動することができます。(毎月1000円のマンスリー会員、都度寄付がございます)

また、無料のサポーター会員も募集中です。

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