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朝日新聞に自伐×建築の記事掲載「私の山、自ら伐採・搬出 森に優しく 若者、兼業で参入」

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2月から取材を受けていた朝日新聞の『eco活プラス』が林業(四万十市・東京)と建築(高知市)を組み合わせた記事を書いて下さいました。

取材していた記者は、あとがきで以下のように書いています。「自伐型林業は兼業にこそふさわしい、との意見を取材中によく聞きました。林業が忙しいのは主に冬。夏に成長した木を伐採するためです。夏に観光や農業で稼ぎ、冬に山へ入る。あるいは平日に会社勤めをし、週末は林業で働く。そんな人もいるそうです。普段は遠くに感じていても、意外な方法で山とつながることができるかもしれません」。

自伐を取材するメディアが増えています。記者一人ひとりが取材を通して林業に対する常識が変わってくる様子も伺えます。

(以下、記事を転載)

(eco活プラス)私の山、自ら伐採・搬出 森に優しく 若者、兼業で参入

自伐型の林業を3年前に始めた宮崎聖さん。「林業を中心に置くことで、山村の暮らしがうまく循環していくことに気づいた」=高知県四万十市(写真:朝日新聞)

自伐型の林業を3年前に始めた宮崎聖さん。「林業を中心に置くことで、山村の暮らしがうまく循環していくことに気づいた」=高知県四万十市(写真:朝日新聞)

 日本は国土の7割近くが山林に覆われた森の国だ。その森を持続的に生かそうとする「自伐(じばつ)型林業」に今、注目が集まっている。自分の山に自ら手を入れ、細く長くつき合おうとする考えが共感を呼び、新規参入の若者や木材を住宅に使う人が相次いでいる。

 高知県・四万十川の岸辺から車で山を上がると、約3分でログイン前の続きヒノキの森に入った。地表に届く日光は淡く、少しひんやりとする。ここは近くに住む宮崎聖さん(37)、自慢の森だ。

 もともと木工業で働いていたが、3年前、放置されていた四万十市の実家の山林で自伐型林業を始めた。先輩の林業家からも助言を受け、初年度から自力で木材を市場に出したという。

 きっかけは、高知県のNPO法人「土佐の森・救援隊」(中嶋健造理事長)が2009年ごろから全国で続けている講演だった。自伐型は大型機械は使わず、小型のショベルカーとチェーンソーで始められる。参入者を増やせば、地域の活性化にもつながるはず――。そんな思いに動かされた。

 今では、東京から同市内に移住して林業を始めた20代の仲間ら5人で自伐型のグループを結成。木工業と兼ねている。「林業だけでは厳しいが、あと一つ何か仕事があれば、十分食べていける」と手応えを語る。

 戦後、国内の林業では山林の所有者から森林組合が作業を請け負い、大量に伐採、販売するのが主流だった。これに対し自伐型は、所有者自らが伐採、搬出する。木をすべて切る皆伐や大規模な間伐はせず、少しずつ伐採する。必要以上に切らないよう、林道も極力狭く作る。その結果、長期間にわたり山林を活用でき、大雨にも強くなる。

 こうした良さを知り、自伐型の木材を選ぶ消費者も出てきた。3月中旬。高知市内の新興住宅地では、2階建ての木造家屋が建設中だった。大黒柱に据えた約6メートルのスギの無垢(むく)材の周囲に、骨組みの木材が行き交う。完成は今夏の予定だ。

自伐型林業の材木をふんだんに使って建てている松田高政さん(右)の自宅=高知市(写真:朝日新聞)

自伐型林業の材木をふんだんに使って建てている松田高政さん(右)の自宅=高知市(写真:朝日新聞)

 施主は同市内のコンサルタント、松田高政さん(43)。10年近く前から、高知の風土に適した住宅で暮らしたい、との思いで準備を進めてきた。製材、建築、瓦など県内の業者を調べあげ、木造土壁の伝統工法で建てることを決めた。地元産材を探して行き着いたのが、自伐型の木材だった。松田さんは「山や林業家、そして家を作る人すべてが顔の見える関係になれたのがうれしい」と話す。

 全国にも広がりをみせる。中嶋さんらが3月、東京都内で開いたシンポジウムには東北や関東、関西などから約180人が参加。事例報告が相次いだ。「50年、100年先の姿を描きながら森を作っていくのが自伐型。持続的な山とのつき合いに、都会の人も参加してみてはどうでしょう」(野瀬輝彦)

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